著者 | 北風ももこ+井上敏明 |
---|---|
定価 | 本体価格1,300 円+税 |
刊行年月 | 2001年 3月 |
サイズ | B6判 |
ページ数 | 230 ページ |
ジャンル | 保育・教育 |
ISBNコード | ISBN 4-88602-922-1 |
北風ももこ(きたかぜ・ももこ)
1985年生まれ、魚座。
兵庫県宝塚市出身。 カナダのインターナショナルハイスクールに短期留学ののち、大学入学検定試験を目指す。
井上敏明(いのうえ・としあき)
1935年京都市生まれ。
神戸海星女子学院大学教授、六甲カウンセリング研究所所長、六甲スクールレススクール(フリースクール)主宰。 教育臨床的カウンセリングと評論で全国的に知られる。
『無気力症』『知能のタイプ』(朱鷺書房)、『学校ストレスの深層』(世界思想社)など著書多数。
私たちは、いつ、どのように、子どもから大人になるのだろうか。 もちろん、その日が過ぎたら、といったそんな日もないし、そこを超えたら、といった境界線もあるはずもなく、いつのまにか、知らぬ間に大人になっている。そして、子どものころ遭遇した苦しかったことや、悲しかったこと、不安だったことや、恐ろしかったことなどについては、その大半を忘れてしまっている。しかし、おぼろげながら記憶をたどってみれば、本当は、それはそれなりに大変なことだったように想いだされる。
子どもが大人に変わるとき、とくに思春期では、その身体の変化は、外から観察できるのだが、実は、目に見えない心の中では、もっと激しい変化が起こっているのではないだろうか。
まるでそれは、幼虫がさなぎに変わり、蝶に変身するときの、あのさなぎの中で起こっているドロドロとした何か得体の知れない化学変化のようなものといったらいいだろうか。
(本文「心の世界を考える」井上敏明より)
内に閉じこもったその心の世界を、十四歳の少女が見事に「詩」で表現してくれているのが、北風ももこの作風である。私が、この少女の詩をぜひこの世に! と思ったのは、「なぜ学校に行かないの?」と問われて、ほとんどまわりにわかるようには答えられない心の世界を、見事な詩にしてくれているからであった。
(「まえがき」井上敏明より)
- 第一部 心の世界を考える ― 井上敏明
- 1. ももこさんと詩の出会い
2. 不登校現象とももこさんのケース
3. 不登校生と家族との関わり - 第二部 北風ももこ詩集
-
1. 不可解
2. 闇
3. 希望、光
4. 生きる
5. 家族6. 死
7. 悲しみ
8. 自然への憧れ
9. 遊び
10. 恋11. 葛藤
12. 不安
13. 驚き、発見
14. 喪失、失われた時
15. 存在 - 第三部 座談会/旅立ちのとき
― ももこさんの詩のこと、不登校のこと ― 井上敏明、父、母 - 両親のみたももこさんの性格 / 内面と現実とのギャップの大きさ / 見えないバリア / 常識を突き抜けた感覚 / 小学校五、六年生ころからのつまずき / 親のメッセージを手紙に託す / 学校に戻すことだけが目的でよいのか / 自己表現と心の解放