朱鷺書房
本の詳細
アルコール依存社会
アルコール依存社会
冊数 :
著者 中本新一
定価 本体価格2,500 円+税
刊行年月 2004年 11月
サイズ 四六判上製
ページ数 280 ページ
ジャンル 社会・歴史
ISBNコード ISBN 4-88602-632-X
目次より
第一章 酒飲みをめぐる状況
なぜ自助グループが振るわないのか
専門医療の対応
アルコール依存症への対策は十分か
中年男性と一般女性があぶない
多様化するアルコール飲料
アダルト・チルドレン(AC)ブームの到来
第二章 酒と日本文化
文化的要因とかかわる飲酒行動
日本に多い「未成熟」型
祭りに飲む酒
誓約のために飲む酒
労働報酬としての酒
余暇に飲む酒
薬物としての酒
集団飲酒は日本人の特徴 /ほか
第三章 酒づくりのなかの政治
果実酒に酔った縄文人
奈良・平安時代の酒づくりは国営
鎌倉時代――店売りの酒は禁止
室町時代――麹座の独占
江戸時代――酒づくりの大変革
株仲間の廃止と酒税の増徴
古代から飲酒に寛容な日本社会
税制からみた酒づくり
第四章 自助グループの光と影
二人のアル中患者から始まった自助グループ
日本における自助グループの誕生と発展
断酒会の例会の様子
断酒会の治療機能
断酒会の活動を高めるために
AAの機能と運営
AAの回復プログラム /ほか
第五章 酒とアメリカ人
北欧の飲酒事情
過飲の日本、節酒のアメリカ
地域にとけこんでいるアメリカの自助グループ
「ちがい」を認め合い「フツー」に高める社会
禁酒法の制定とその廃止
禁酒法がもたらしたもの /ほか
第六章 もうアダルト・チルドレンで泣かなくともいい
AC理論の誕生
キリスト教信仰のなかのAC理論
AC理論の日本での反響
子どもの人権尊重のなかで
アダルト・チルドレンと診断されたとき
自助グループ会員の親と子
AC善人論から悪人論へ
子どもに対する偏見
予断と偏見では救われない
PTSD理論の拡大解釈 /ほか
終章 節酒日本という政策
病気に気づかない酩酊者
日本人は民族的にアル症
節酒日本のすすめ
著者紹介
中本新一(なかもと・しんいち)
アルコール問題研究家。
1945年、奈良県生まれ。同志社大学大学院総合政策科学研究科修士課程修了。34年間の高校勤務ののち、アルコール問題研究家に。1983年より自助グループに所属。
著書に『勇者が拳を固めるとき』(成文堂)、『五組新聞奮戦記』(JPP)、『ザ・教育困難校』『酒はやめられる』(以上、三一書房)などがある。